建設業許可の専任技術者とは?要件・実務経験・証明方法を徹底解説

「専任技術者になれる人がいないと、建設業許可って取れないんですか?」当事務所に新規許可のご相談をいただく際、必ずと言っていいほど聞かれる質問です。経営業務管理責任者(経管)と並ぶ二大要件でありながら、判定が複雑なため独学では判断を誤りやすいのが専任技術者(以下、専技)です。本記事では、2023年7月の施行規則改正による要件緩和を反映した最新内容で、専技の要件・実務経験の証明方法・つまずきポイントを行政書士の実務目線で 解説します。

目次

専任技術者とは

建設業許可における役割と必要性営業所ごとに必ず1名以上の配置が必要で営業所に常勤して建設工事の技術的な管理を行う技術者のことです。建設業法第7条第2号で配置が義務付けられており、29業種それぞれについて要件を満たす技術者を最低1名置かなければなりません。「専任」とは、その営業所に常勤して、他の営業所や他社の技術者を兼任していない状態を指します。在宅勤務や他社役員との兼任は原則認められません。経営業務管理責任者との違い経管が 「経営の管理者」であるのに対し、専技は「技術の管理者」です。両者は別人でも兼任でも構いませんが、別の営業所への配置はできません。同じ営業所内であれば、1人が両方を兼ねることも実務上よくあります。

専任技術者になるための3つのルート

専技になる方法は大きく分けて3ルートあります。自社の状況に合わせて選びましょう

ルート①:国家資格を保有している

最もシンプルかつ確実な方法です。業種ごとに認められる資格が建設業法施行規則で定められています。代表的なものを挙げます。

建築一式:工事業一級・二級建築士、1級・2級建築施工管理技士

土木一式:工事業1級・2級土木施工管理技士、技術士(建設部門)

電気工事業:第一種・第二種電気工事士、1級・2級電気工事施工管理技士

管工事業:1級・2級管工事施工管理技士、給水装置工事主任技術者

国土交通省が公表する「配置技術者となり得る国家資格等一覧」で全業種の対応資格を確認できます。

ルート②:指定学科の卒業+実務経験

学歴により、必要な実務経験年数が大きく短縮されます。2023年7月1日施行の改正で         この短縮要件が一部見直されました。

大学・高専の指定学科卒業3年以上

高校・中等教育学校の指定学科卒業5年以上

「指定学科」とは、建設業法施行規則第1条で定められた業種ごとの関連学科(土木工学科、建築学科、電気工学科等)を指します。

ルート③:10年以上の実務経験

学歴や資格がない場合、許可を受けようとする業種について10年以上の実務経験があれば専技になれます。最もハードルが高いものの、職人として現場一筋で歩んできた方の王道ルートです。

一般建設業と特定建設業で要件が異なる

ここが見落とされがちな重要ポイントです。特定建設業(元請として5000万円以上の下請契約を結ぶ場合)の専技は、一般建設業より厳しい要件が課されます。

・特定建設業の専技に必要な要件1級の国家資格を保有している

一般の要件を満たした上で、指導監督的実務経験を2年以上有していること

ただし、指定建設業(土木一式・建築一式・電気・管・鋼構造物・舗装・造園の7業種)では        必ず1級資格者または技術士等が必要で、実務経験での代替はできません。

10年の実務経験を証明する方法|実務で最も難しい部分

ご相談の中で最大の壁となるのが、この実務経験の証明です。必要な証明資料は2点あります。

①工事をしていた証明資料(工事の実績を示す書類工事請負契約書、注文書・請書工事代金の請求書+入金が確認できる通帳確定申告書※個人事業主の場合)

②その期間在籍していた証明資料(資格情報のお知らせ、資格確認書、被保険者資格情報、雇用保険被保険者離職票、被保険者記録照会回答票)

専任技術者の注意ポイント(奈良県での)

1. 10年働いていたら足りるは誤解

一番多い誤解はこれです。奈良県では、単に業界に10年いたというだけでは足りず、許可を取りたい業種に対応する建設工事の実務経験であることを示さなければなりません。実務経験証明書には抽象的な肩書だけでなく、具体的な  工事件名や工事内容が分かる書き方が必要です。国のガイドラインも、工事件名を具体的に書いて建設工事に関する実務内容が明らかになるよう求めています。

2.「被扶養者でも雇用保険に入っていれば常勤扱いではない

これも誤解が多いです。奈良県手引では、被扶養者は原則として常勤性を認めないとされており、しかもこれは現在だけでなく、実務経験期間中も同様です。雇用保険に入っていたとしても、それだけで常勤性が通るわけではありません。例外的に合理的な事情を説明できる余地はありますが、基本線としては「被扶養者=かなり厳しい」と考えておくべきです。

3. 同じ10年を2業種に使えない

原則奈良県では、営業所技術者等になるための実務経験は重複計上できないと明記されています。たとえば、塗装工事と防水工事の両方を実務経験だけで立てたいなら、原則としてそれぞれ別に必要年数が要ります。国のガイドラインでも、経験期間が重複するものは原則二重に計算しないとされています。したがって、「この10年で複数業種まとめて立てられるはず」という感覚は危険です

4.工事資料はざっくり数枚あってもダメ

奈良県では、実務経験証明書に対応する工事実績資料として、契約書・注文書、または請求書+入金記録を求めており、手引上は1年に1件抽出という考え方が示されています。つまり、10年実務なら、基本的には各年の代表工事が引けるように整理しておく必要があります。単に古い請求書が数枚あるだけでは弱く、その工事が対象業種の工事だと  分かって入金までつながることが重要です。

最後に

奈良県で建設業許可の手続きは西川行政書士へ|初回の相談は無料
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メール:naranonishikawa@gmail.com 事務所URL

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