2026年10月時点の制度内容に基づいて作成しています。制度は改正が続いているため、申請前に必ず出入国在留管理庁の公式ページで最新情報をご確認ください。
結論:この記事でわかること(先に答えをまとめます)
「特定技能1号って結局どんな制度で、自社に関係あるの?」
——この記事では、その疑問に先に答えを出します。
- 特定技能1号は「即戦力の外国人材」を受け入れるための在留資格です。技能実習のような「国際貢献・研修」目的ではなく、最初から人材確保(労働力)を目的とした制度です(2019年4月創設)。
- 在留できるのは通算5年まで(一定要件を満たせば6年)。家族の帯同は原則不可。この2点が特定技能2号との決定的な違いです。
- 対象は19分野(2026年1月23日の閣議決定で3分野追加)。ただし実際に受入れが始まっているのは17分野で、「物流倉庫」「資源循環」は受入れ開始前です。
- 要件は「技能水準」と「日本語能力水準」の2つで、両方を満たす必要があります。技能水準は「分野別の技能評価試験に合格」または「技能実習2号を良好に修了(関連職種・作業)」、日本語能力水準は「JLPT N4以上」または「JFT-Basic合格」。技能実習2号を良好に修了した場合は、技能試験と日本語試験の両方が免除されます(介護分野は別途、介護日本語評価試験が必要)。
- 2027年4月1日に技能実習制度が「育成就労制度」へ移行します。育成就労から特定技能1号に進むには試験合格が必要になり、技能実習にあった「試験免除」は原則なくなります。
- 受入れ企業側にも義務があります。日本人と同等以上の報酬、支援計画の作成・実施(義務的支援10項目)など。怠ると在留許可が下りません。
この記事は、この6点を「なぜそうなっているのか」「あなたのケースではどうなるのか」まで、奈良県で外国人雇用・在留手続を扱う行政書士の実務目線で順番にひらいていきます。
冒頭要約:特定技能1号の全体像を3分でつかむ
「とりあえず数字だけ先に知りたい」というあなたへ。2026年10月時点で押さえるべき数字を先に出します。
| 項目 | 内容 | 根拠・補足 |
|---|---|---|
| 制度の創設 | 2019年4月1日施行の在留資格 | 入管法上の「特定技能」 |
| 在留期間 | 通算5年(一定要件で6年) | 1回あたりは3年・1年・6か月・4か月 |
| 家族帯同 | 原則不可 | 2号は配偶者・子のみ可 |
| 対象分野 | 19分野(うち受入れ中17分野) | 2026年1月23日閣議決定で3分野追加 |
| 受入れ見込数 | 805,700人(令和11年3月まで) | 分野別運用方針の合計 |
| 現在の在留者数 | 432,016人(令和8年7月末・速報値) | 充足率53.6% |
| 技能要件 | 技能評価試験合格 または 技能実習2号良好修了 | 分野ごとに試験を実施 |
| 日本語要件 | JLPT N4以上 または JFT-Basic合格 | 介護は介護日本語評価試験も必要 |
| 報酬要件 | 日本人と同等以上 | 受入れ機関の基準 |
| 更新手数料 | 3月以下1万円〜5年以上7万5,000円 | 2026年10月1日改定 |
この表の読み方(重要):
- 充足率53.6%は「分野全体の平均」です。外食業は98.6%とほぼ上限に達しており、2026年4月13日から在留資格認定証明書の交付が一時停止されています。一方、自動車運送業は3.2%、鉄道2.5%、林業2.1%と、分野によって状況がまったく違います。
- つまり「特定技能は枠が埋まって取れない」のでも「どこでも取れる」のでもなく、分野選びが取得可否を左右する段階に入っています。
出典:出入国在留管理庁「特定技能1号の分野ごとの受入れ見込数や在留者数等」/出入国在留管理庁「特定技能制度」
1. 特定技能1号とは?在留資格と特定技能制度の概要を解説
1-1. 特定技能1号の基本的な仕組みと外国人に求められる技能
特定技能1号は、「特定産業分野に属する相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要する業務」に従事する外国人のための在留資格です。
やさしく言い換えると、「専門学校を出た新人レベルの即戦力」です。未経験の研修生ではなく、ある程度の知識・経験を持っていて、入社初日から現場で戦力になる人材を想定しています。
| 観点 | 特定技能1号の考え方 |
|---|---|
| 対象者 | 一定の専門性・技能を持つ外国人 |
| 就労の位置づけ | 「研修」ではなく「労働力の確保」 |
| 雇用形態 | 受入れ企業との直接雇用が原則 |
| 転職 | 同一業務区分内なら可能(分野をまたぐ場合は試験等が必要) |
| 在留期間 | 通算5年(一定要件で6年) |
| 家族 | 帯同不可(原則) |
技能実習との決定的な違いは、制度の目的です。技能実習は「国際貢献(技術の母国への移転)」が目的で、企業が労働力確保を目的にしてはいけない建前でした。特定技能1号ははじめから人材確保が目的です。だからこそ、労働法規の遵守と日本人と同等以上の待遇が強く求められます。
出典:JITCO「在留資格「特定技能」とは」/出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」
FAQ:特定技能1号は「アルバイト」でも取れますか?
取れません。特定技能1号はフルタイムの雇用契約が前提です。受入れ機関の基準として「通常の労働者と同等の所定労働時間であること」が求められています(出入国在留管理庁Q&A)。パートタイムや短期の季節労働での受入れはできません。
1-2. 制度が想定する人材とは?産業の人手不足と即戦力の確保
特定技能制度は、「人材確保が困難な分野」を特定産業分野として指定し、そこに限って外国人材を受け入れる仕組みです。
分野ごとに「受入れ見込数(=受入れ上限)」が決められているのがポイントです。上限に達すると、新規の受入れがストップします。これは2026年に現実になりました。
2026年10月時点の分野別データ(令和8年7月末・速報値)
| 分野 | 受入れ見込数 | 在留者数 | 充足率 | 年間増加数 |
|---|---|---|---|---|
| 介護 | 126,900人 | 81,436人 | 64.2% | 24,402人 |
| ビルクリーニング | 32,200人 | 10,514人 | 32.7% | 2,918人 |
| リネンサプライ | 4,300人 | 3人 | 0.1% | 3人 |
| 工業製品製造業 | 199,500人 | 63,032人 | 31.6% | 10,768人 |
| 建設 | 76,000人 | 52,366人 | 68.9% | 7,937人 |
| 造船・舶用工業 | 23,400人 | 11,693人 | 50.0% | 900人 |
| 自動車整備 | 9,400人 | 5,332人 | 56.7% | 1,482人 |
| 航空 | 4,900人 | 2,823人 | 57.6% | 968人 |
| 宿泊 | 14,800人 | 2,771人 | 18.7% | 1,341人 |
| 自動車運送業 | 22,100人 | 703人 | 3.2% | 681人 |
| 鉄道 | 2,900人 | 73人 | 2.5% | 52人 |
| 農業 | 73,300人 | 44,952人 | 61.3% | 8,891人 |
| 漁業 | 14,800人 | 4,988人 | 33.7% | 960人 |
| 飲食料品製造業 | 133,500人 | 101,922人 | 76.3% | 15,567人 |
| 外食業 | 50,000人 | 49,290人 | 98.6% | 12,107人 |
| 林業 | 900人 | 19人 | 2.1% | 19人 |
| 木材産業 | 4,500人 | 99人 | 2.2% | 97人 |
| 資源循環 | 900人 | — | — | — |
| 物流倉庫 | 11,400人 | — | — | — |
| 合計 | 805,700人 | 432,016人 | 53.6% | 89,093人 |
この表から読み取れる3つのこと:
- 伸びしろが大きい分野=受入れが進んでいない分野。自動車運送業・鉄道・林業・木材産業は充足率が1桁台です。企業にとっては採用チャンス、外国人にとっては競争が緩い分野です。
- 外食業は「もう入れない」分野。充足率98.6%で、2026年4月13日以降に受理された在留資格認定証明書交付申請は不交付とされています。
- 全体ではまだ半分。805,700人の枠に対して432,016人。制度は「拡大フェーズ」が続いています。
出典:出入国在留管理庁「特定技能1号の分野ごとの受入れ見込数や在留者数等」
FAQ:在留者数はどれくらいのペースで増えていますか?
制度開始当初の2019年末は1,621人でした。令和8年6月末には特定技能1号だけで425,961人(前年同月比+92,838人)に達しています。5年あまりで200倍以上になった計算です。年間増加数は89,093人(令和7年7月末と令和8年7月末の差)で、今も年9万人ペースで増え続けていることがわかります。
出典:キャリアリンクファクトリー「在留資格「特定技能」とは?」
1-3. 最新の制度改正で何が変わった?対象分野の追加と確認方法
特定技能は毎年のように制度が動いています。「昔調べたときと違う」というのは、あなたの記憶違いではなく、制度が変わっているからです。
分野拡大の歩み
| 時期 | 内容 | 分野数 |
|---|---|---|
| 2019年4月 | 制度開始(14分野) | 14分野 |
| 2023年6月 | 特定技能2号の対象分野を大幅拡大(2→11分野) | 1号は14分野のまま |
| 2024年3月 | 自動車運送業・鉄道・林業・木材産業を追加 | 16分野 |
| 2026年1月23日 | リネンサプライ・物流倉庫・資源循環を追加(閣議決定) | 19分野 |
2026年の改正で押さえるべき4点
- 新3分野の追加:2026年1月23日の閣議決定で、リネンサプライ・物流倉庫・資源循環が対象に加わりました。
- リネンサプライは受入れ開始済み:2026年6月1日から特定技能1号の在留申請が可能になり、要領別冊も2026年6月1日に制定されています。
- 物流倉庫は準備段階:要領別冊が2026年9月18日に制定された段階で、受入れ開始はこれからです。
- 資源循環も準備段階:上乗せ基準告示が2026年7月30日に掲載されています。
外食業の受入れ上限超過という「現実」
2026年3月27日、出入国在留管理庁は外食業分野について次のように公表しました。
- 2026年2月末時点の在留者数が約4万6千人、同年5月頃に受入れ見込数5万人を超える見込み
- 2026年4月13日以降に受理した在留資格認定証明書交付申請は不交付
- 同日以降に受理した在留資格変更許可申請は原則不許可
- ただし、同日より前に受理した申請は審査の上、受入れ見込数の範囲内で順次交付(相当な遅延が生じる見込み)
- 例外として、技能実習(医療・福祉施設給食製造作業)修了者の移行などは審査の上で順次許可
出典:出入国在留管理庁「特定技能「外食業分野」における受入れ上限の運用について」/出入国在留管理庁「特定技能「外食業分野」における在留資格認定証明書交付の一時停止措置について」
HowTo:制度改正を自分で確認する3ステップ
- 出入国在留管理庁「特定技能制度」ページの更新履歴を見る(こちら)。ページ上部に日付入りで改正情報が並んでいます。2026年だけでも「要領別冊の改正」「提出書類一覧表の改定」が毎月のように出ています。
- 自分の分野の「要領別冊」と「特有の事情に鑑みて定める基準」を確認する。分野ごとに追加要件が違うため、全体の解説記事だけでは足りません。
- 受入れ見込数と在留者数のPDFを確認する(こちら)。自分の分野が上限に近づいていないかが一目でわかります。
FAQ:ネットの情報が古いかどうかは、どう見分けますか?
3つのサインで判断できます。①「16分野」と書いてあれば2026年1月以前の情報、②「外食業も受入れOK」と書いてあれば2026年4月以前の情報、③「在留更新の手数料は6,000円」と書いてあれば2026年10月以前の情報です。この3つの数字が最新かどうかを確認するだけで、記事の鮮度がかなり見分けられます。
2. 特定技能1号の対象業種・分野別メニュー:従事できる業務内容
19分野の全体です。そのうえで、あなたが関心を持ちやすい分野を、業務区分まで掘り下げて解説します。
| 分野 | 主な職種・業務内容 |
|---|---|
| 介護 | 施設介護、通所介護、訪問介護など |
| ビルクリーニング | オフィスや施設の清掃、衛生管理 |
| リネンサプライ | 宿泊施設・医療機関等向けリネン類の洗濯・仕分け |
| 工業製品製造業 | 機械金属加工、電気電子機器組立て、金属表面処理など |
| 建設 | 型枠、鉄筋、内装仕上げ、電気通信など |
| 造船・舶用工業 | 溶接、仕上げ、塗装、鉄工など |
| 自動車整備 | 自動車の定期点検、故障修理、整備業務 |
| 航空 | 航空機地上支援業務(グランドハンドリングなど) |
| 宿泊 | ホテル・旅館でのフロント業務、清掃、接客 |
| 農業 | 作物・野菜・果物の栽培、収穫 |
| 漁業 | 漁業(漁具の製作・補修、漁獲など)、養殖業 |
| 飲食料品製造業 | 食品工場での加工・包装・品質管理 |
| 外食業 | 飲食店での接客、調理、店舗管理補助 |
| 自動車運送業 | トラック・タクシー・バスの運転など |
| 鉄道 | 駅務、車両の清掃・点検・整備など |
| 林業 | 伐採、集材、森林整備など |
| 木材産業 | 製材、合板製造など |
| 物流倉庫 | 倉庫での入出庫・仕分け・梱包(受入れ開始前) |
| 資源循環 | 廃棄物の中間処理(受入れ開始前) |
2-1. 工業製品製造業:機械・電気・電子機器などの業務区分
工業製品製造業は受入れ見込数199,500人と全分野で最大ですが、充足率は31.6%にとどまります(在留者数63,032人)。つまり枠は大量に余っている分野です。
主な業務区分
| 業務区分 | 具体的な作業 |
|---|---|
| 機械金属加工 | 旋盤・フライス盤・プレス・溶接など |
| 金属表面処理 | めっき、塗装、熱処理など |
| 機械加工 | 組立て、検査、調整 |
| 電気機器組立て | 配線、基板実装、検査 |
| 電子機器組立て | 電子部品の実装、組立て、検査 |
| 工業包装 | 梱包、荷造り、検査 |
| プラスチック成形 | 射出成形、成形品の加工 |
試験の実施機関:一般社団法人 工業製品製造技能人材機構(JAIM)が製造分野特定技能1号評価試験を実施しています。
注意点:2026年5月8日および6月25日に「特定技能制度の工業製品製造業分野に特有の事情に鑑みて定める基準」が改正されています。分野特有の基準は頻繁に動くため、申請直前に確認してください。
出典:JAIM「製造分野特定技能評価試験」/出入国在留管理庁「特定技能制度」
FAQ:工業製品製造業は「ライン作業だけ」ですか?
いいえ。業務区分ごとに技能評価試験が分かれており、合格した業務区分の仕事にしか従事できません。たとえば「機械金属加工」で合格した人が「電気機器組立て」の仕事をすることは、原則できません(業務区分をまたぐ場合は試験等により技能水準の共通性が確認されている場合に限られます)。採用時には、求人の業務内容が自分の合格した業務区分と一致しているかを必ず確認してください。
2-2. 自動車整備・造船・舶用工業・航空・鉄道で従事できる業務
このグループは「ものづくり・輸送インフラ系」の分野です。充足率が低めの分野が多く、狙い目と言えます。
| 分野 | 主な業務内容 | 受入れ見込数 | 在留者数 | 充足率 |
|---|---|---|---|---|
| 自動車整備 | 自動車の日常点検整備、定期点検整備、分解整備 | 9,400人 | 5,332人 | 56.7% |
| 造船・舶用工業 | 溶接、仕上げ、塗装、鉄工、機械加工、電気機器組立て | 23,400人 | 11,693人 | 50.0% |
| 航空 | 航空機地上支援業務(グランドハンドリング)、航空機整備 | 4,900人 | 2,823人 | 57.6% |
| 鉄道 | 駅務、車両の清掃・点検・整備、軌道・電気設備の保守 | 2,900人 | 73人 | 2.5% |
分野ごとの「特有の事情に鑑みて定める基準」
これらの分野には、一般的な要件に上乗せされる基準があります。2026年だけでも頻繁に改正されています。
| 改正日 | 内容 |
|---|---|
| 2026年4月10日 | 自動車運送業分野の特有基準を改正 |
| 2026年5月22日 | 自動車整備分野の特有基準を改正 |
| 2026年6月23日 | 建設分野の特有基準を改正 |
| 2026年7月2日 | 造船・舶用工業分野の特有基準を改正 |
| 2026年7月17日 | 航空分野の要領別冊を改正 |
| 2026年10月9日 | 自動車運送業分野の要領別冊を改正 |
鉄道分野は「今がチャンス」:充足率2.5%、在留者数73人です。2024年3月に追加された新しい分野なので、制度の運用もこれから整っていきます。
自動車整備の注意点:2026年5月22日に特有基準が改正されています。整備の業務区分(日常点検整備/定期点検整備/分解整備)によって求められる試験・経験が変わるため、改正内容の確認が必須です。
出典:出入国在留管理庁「特定の分野に係る要領別冊」/出入国在留管理庁「特定技能1号の分野ごとの受入れ見込数や在留者数等」
2-3. 農業・漁業・林業・木材産業の対象業務と作業範囲
第一次産業系の4分野は、いずれも充足率が低く、受入れ拡大が期待されている領域です。
| 分野 | 主な業務内容 | 受入れ見込数 | 在留者数 | 充足率 |
|---|---|---|---|---|
| 農業 | 耕種農業(施設園芸・露地野菜・果樹)、畜産農業 | 73,300人 | 44,952人 | 61.3% |
| 漁業 | 漁業(漁具の製作・補修、水産動植物の採捕、安全衛生)、養殖業 | 14,800人 | 4,988人 | 33.7% |
| 林業 | 伐採、集材、造林、林産物の搬出 | 900人 | 19人 | 2.1% |
| 木材産業 | 製材、合板製造、集成材製造、木製品製造 | 4,500人 | 99人 | 2.2% |
農業は「作業範囲」に注意
農業分野の業務区分は大きく分けて次のとおりです。雇用契約書に書かれた業務区分の作業にしか従事できません。
- 耕種農業(施設園芸):施設内での野菜・花きの栽培・収穫・調整
- 耕種農業(露地野菜):露地での野菜の栽培・収穫・調整
- 耕種農業(果樹):果樹の栽培・収穫・調整
- 畜産農業:乳用牛・肉用牛・豚・採卵鶏・ブロイラーの飼養管理
林業・木材産業は2024年3月に追加されたばかり
林業は充足率2.1%(在留者19人)、木材産業は2.2%(在留者99人)と、制度としては始まったばかりです。林業分野の試験は「林業技能測定試験(林業分野特定技能1号評価試験)」として実施されています。2026年度は6月13日などに国内試験が予定されています。
林業分野は2026年4月23日に特有基準が改正されています。
出典:林業分野特定技能制度/出入国在留管理庁「特定技能制度」
FAQ:季節によって仕事がない時期はどうなりますか?
特定技能1号は通年フルタイムの雇用が前提です。季節性のある分野でも、通年で就労できる体制が求められます。なお、育成就労制度では季節性のある分野で派遣形態が認められる予定ですが、特定技能1号では派遣での受入れはできません(農業・漁業の一部例外を除く)。採用面接時に「閑散期の扱い」を必ず確認してください。
2-4. 飲食の仕事はどの分野?飲食料品製造業・外食業・宿泊の違い
「飲食の仕事」は3分野に分かれます。ここは最も混同されやすいポイントなので、表で整理します。
| 分野 | 働く場所 | 主な業務 | 受入れ見込数 | 在留者数 | 充足率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 飲食料品製造業 | 工場 | 食品の製造・加工・包装・品質管理 | 133,500人 | 101,922人 | 76.3% |
| 外食業 | 飲食店 | 接客、調理、店舗管理補助 | 50,000人 | 49,290人 | 98.6% |
| 宿泊 | ホテル・旅館 | フロント、清掃、接客、予約管理 | 14,800人 | 2,771人 | 18.7% |
「飲食店で働きたい」なら外食業、「食品工場で働きたい」なら飲食料品製造業です。同じ「食」でも、試験も業務区分もまったく別です。
最重要:外食業は受入れが止まっています
2026年4月13日以降に受理された外食業分野の在留資格認定証明書交付申請は不交付です。すでに外食業で特定技能1号として在留している人の転職に伴う申請や、技能実習(医療・福祉施設給食製造作業)からの移行などは審査されますが、海外から新規に入国するルートは事実上閉じています。
宿泊分野は伸びしろ大
充足率18.7%(在留者数2,771人)で、受入れ見込数14,800人に対してまだ2割弱です。2026年4月22日には宿泊分野の特有基準が改正されています。
出典:出入国在留管理庁「特定技能「外食業分野」における受入れ上限の運用について」/出入国在留管理庁「特定技能1号の分野ごとの受入れ見込数や在留者数等」
FAQ:飲食料品製造業の充足率76.3%は「もうすぐ埋まる」ということですか?
その可能性はあります。外食業は充足率が98.6%になった時点で交付停止に踏み切りました。分野全体の上限に近づくと、突然ストップがかかるのがこの制度の特徴です。飲食料品製造業を検討しているなら、早めの準備が安全です。
FAQ:外食業で働いている人は、もう転職できないのですか?
転職は可能です。外食業分野で特定技能1号として在留している人が同一分野内で転職する場合の申請は、通常どおり審査されます。また、外食業から別の分野へ変更する場合は、変更先分野の試験等が必要になります。在留期間の更新申請も通常どおり審査されます。
2-5. 介護・ビルクリーニング・建設・自動車運送業の業務と注意点
| 分野 | 主な業務内容 | 受入れ見込数 | 在留者数 | 充足率 | 特有の注意点 |
|---|---|---|---|---|---|
| 介護 | 施設介護、通所介護、訪問介護 | 126,900人 | 81,436人 | 64.2% | 介護日本語評価試験が必要。2号の代わりに「介護」在留資格への移行ルートあり |
| ビルクリーニング | 建築物の清掃、衛生管理 | 32,200人 | 10,514人 | 32.7% | 特定技能2号の対象分野 |
| 建設 | 型枠、鉄筋、内装仕上げ、電気通信など | 76,000人 | 52,366人 | 68.9% | 2026年6月23日に特有基準改正。2号の対象分野 |
| 自動車運送業 | トラック・タクシー・バスの運転 | 22,100人 | 703人 | 3.2% | 2024年3月追加。2026年10月9日に要領別冊改正 |
介護分野の3つのポイント
- 日本語要件が他分野より重い:JLPT N4以上またはJFT-Basicに加えて、介護日本語評価試験に合格する必要があります。
- 2号の代わりに「介護」在留資格へ移行できる:介護分野は特定技能2号の対象ではありませんが、介護福祉士の資格を取得すれば在留資格「介護」に移行できます。これは事実上、長期就労への道が開かれていることを意味します。
- 介護分野は「介護」在留資格(EPA・技能実習ルート)との併存に注意。同じ介護職でも入り口が複数あります。
自動車運送業は「ほぼ空欄」の分野
充足率3.2%、在留者数703人です。2024年3月に追加された新分野で、制度運用が始まったばかりです。2026年9月1日以降の申し込み分から、特定技能1号評価試験の受験料と合格証明書発行手数料が改定(値上げ)されています。
建設分野は「2号への道」が最も整備されている
特定技能2号の対象分野であり、2023年8月の拡大以前から2号への移行が認められていた分野です。長期的に日本で働きたい人にとっては、キャリアパスが最も見えやすい分野と言えます。
出典:出入国在留管理庁「特定技能制度」/マイナビ「外国人雇用&特定技能ニュース」
FAQ:介護は特定技能2号になれないのですか?
特定技能2号の対象分野は11分野で、介護は含まれていません。ただし介護分野には別のルートがあります。介護福祉士の資格を取得し、在留資格「介護」に変更する道です。特定技能1号として介護の実務経験を積み、介護福祉士試験に合格するというキャリアパスが実務上想定されています。
3. 特定技能1号と2号の違い|技能実習・育成就労とも比較
3-1. 特定技能1号と特定技能2号で異なる技能レベル・対象分野・取得要件
結論から:1号は「即戦力」、2号は「熟練+管理・指導」。この差が在留期間・家族帯同・支援義務のすべてに効いてきます。
| 項目 | 特定技能1号 | 特定技能2号 |
|---|---|---|
| 技能水準 | 相当程度の知識または経験を必要とする技能 | 熟練した技能(各分野の試験で確認) |
| 対象分野 | 19分野(うち受入れ中17分野) | 11分野 |
| 取得要件 | 技能評価試験合格 または 技能実習2号良好修了 | 2号評価試験合格+監督者としての実務経験 |
| 日本語要件 | JLPT N4以上 または JFT-Basic | 原則不要(外食業・漁業のみN3以上) |
| 通算在留期間 | 原則5年(一定要件で6年) | 上限なし |
| 家族の帯同 | 不可 | 可(配偶者・子のみ) |
| 企業の支援義務 | 支援計画の策定・実施が義務 | 不要 |
| 永住許可の申請 | 実質的に困難 | 要件を満たせる可能性がある |
2号の対象11分野:ビルクリーニング、工業製品製造業、建設、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業
2号の対象外:介護、自動車運送業、鉄道、林業、木材産業、リネンサプライ、物流倉庫、資源循環
重要:2024年3月に追加された4分野(自動車運送業・鉄道・林業・木材産業)と2026年1月に追加された3分野は、特定技能2号の対象になっていません。つまりこれらの分野で働く人は、1号の通算5年で一旦終わりになりやすいということです。長く働きたいなら、2号のある分野を選ぶか、2号への移行が可能な分野への変更を検討する必要があります。
FAQ:2号の「監督者としての実務経験」とは何ですか?
2号は、単に技能が高いだけでなく、他の労働者を管理・指導する立場としての実務経験が求められます。実務上は、現場リーダーや班長としての経験が問われます。1号の間に「指示される側」だけでなく「後輩を指導する側」の経験を積んでおくことが、2号への移行を現実的にします。
3-2. 1号と2号の在留期間・更新・家族帯同の違い
在留期間の単位が異なります(ここは2025年9月30日の運用要領改正で変わりました)。
| 区分 | 通算在留期間の上限 | 1回あたりの在留期間 |
|---|---|---|
| 特定技能1号 | 原則5年(一定要件で6年) | 3年・1年・6か月・4か月 |
| 特定技能2号 | 上限なし | 3年・2年・1年・6か月 |
2025年9月30日の改正点
- 1号の在留期間の上限が、従来の「最長1年」から「最長3年」へ拡大(許可は審査次第)
- 2号の在留期間に「2年」が追加
実務への影響:1号でも3年が認められれば、更新の回数が減り、企業・本人双方の事務負担が軽くなります。ただし「申請すれば必ず3年」ではありません。通算5年の残り期間や就労状況によって審査されます。
更新手数料が2026年10月1日に大幅改定されました
| 許可期間 | 窓口申請 | オンライン申請 |
|---|---|---|
| 3月以下 | 10,000円 | 10,000円 |
| 3月超6月以下 | 18,000円 | 15,000円 |
| 6月超1年未満 | 25,000円 | 21,000円 |
| 1年 | 33,000円 | 27,000円 |
| 1年超3年未満 | 48,000円 | 42,000円 |
| 3年以上5年未満 | 64,000円 | 56,000円 |
| 5年以上 | 75,000円 | 65,000円 |
| 永住許可 | 200,000円 | — |
※2026年9月30日までに受付した申請は、許可が10月1日以降になっても改定前の手数料で納付します。 ※オンライン申請の場合、手数料はコンビニ決済または銀行決済のみで、収入印紙による納付はできません。別途決済手数料が必要です。
「3年」の在留期間を取ると手数料は64,000円(窓口)。以前は6,000円だったので、実に10倍以上です。在留期間の長さと手数料のバランスを考える必要が出てきました。
FAQ:家族を日本に呼ぶことはできますか?
特定技能1号では原則として家族の帯同は認められません。特定技能2号に移行すれば、配偶者と子の帯同が可能になります。なお「原則不可」とされているのは、特定技能1号には家族帯同を認める制度設計がないという意味であり、短期滞在としての家族の来日(観光・一時的な滞在)とは別の話です。在留資格の上で「帯同」できるかどうかを確認する必要があります。
3-3. 技能実習からの移行・試験免除と育成就労制度との関係
現在のルール:技能実習2号を良好に修了していれば、関連する職種・作業について特定技能1号への移行時に試験が免除されます。
2024年6月に公布された改正入管法および育成就労法に基づき、技能実習制度は育成就労制度へ発展的に解消されます。施行日は2027年4月1日です。
| 項目 | 技能実習制度 | 育成就労制度 |
|---|---|---|
| 目的 | 人材育成を通じた国際貢献 | 人材育成と人材確保 |
| 在留資格 | 技能実習1号・2号・3号 | 育成就労 |
| 期間 | 1号(1年)・2号(2年)・3号(2年) | 原則3年 |
| 転籍 | やむを得ない場合を除き原則不可 | やむを得ない場合に加え、1〜2年経過で本人希望により転籍可 |
| 日本語能力の要件 | 介護以外はなし | あり |
| 特定技能1号への移行 | 関連職種の場合、試験免除 | 試験合格が必要 |
育成就労で求められる日本語・技能レベル
| タイミング | 求められる水準 |
|---|---|
| 就労開始時までに | 日本語能力A1相当(JLPT N5等)以上の試験合格、または相当する日本語講習の受講 |
| 就労開始後1年経過時 | 技能検定基礎級等+日本語試験(A1相当以上〜A2相当以上の範囲で分野ごとに設定) |
| 特定技能1号への移行時 | 技能検定3級等 または 特定技能1号評価試験+日本語能力A2相当(JLPT N4等)以上 |
なお、移行に必要な試験に不合格となった場合でも、再受験に必要な範囲で最大1年の在留継続が可能です。
さらに注意すべき変更:2026年7月28日、出入国在留管理庁は「技能実習法施行以前の「技能実習」等を修了した者が「特定技能1号」に移行しようとする場合の取扱いについて」を公開しました。制度の切り替わりに伴い、古い技能実習の修了歴で試験免除を使うルートが使えなくなる方向の変更です。該当する人は2027年4月より前の移行を検討する必要があります。
「実習+特定技能」の最長在留は10年から8年相当へ
技能実習(最長5年)+特定技能1号(5年)=最長10年という従来の想定は、育成就労(原則3年)+特定技能1号(5年)=最長8年相当に変わります。
出典:厚生労働省「育成就労制度の概要」/出入国在留管理庁「技能実習法施行以前の「技能実習」等を修了した者が「特定技能1号」に移行しようとする場合の取扱いについて」
FAQ:技能実習2号を修了していれば、いつまでも試験免除ですか?
いいえ。2027年4月1日の育成就労制度開始により、技能実習2号の良好修了による試験免除は原則として使えなくなります。また、技能実習法の施行(2017年11月)以前の「技能実習」を修了した人については、別途取扱いが示されています。該当する人・企業は、2027年4月までに移行を完了させることを強くおすすめします。
4. 特定技能1号の在留期間はいつまで?通算上限と更新のルール
4-1. 通算5年の上限と在留期間の数え方
結論:「5年」は雇用開始日からではなく、特定技能1号として在留を開始した日から数えます。そして働いていない期間も原則カウントされます。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 起算日 | 特定技能1号として在留を開始した日 |
| 上限 | 通算5年(一定要件で6年) |
| 1回あたりの在留期間 | 3年・1年・6か月・4か月 |
通算在留期間に「含まれる」期間
- 特定技能1号で在留中の、就労していない期間(失業期間など)
- 再入国許可による出国期間(みなし再入国許可を含む)
- 「特定技能1号」への移行を希望する場合の在留資格「特定活動」の在留期間
- 転職した場合の、前職で特定技能1号として就労していた期間
- 特定産業分野・業務区分が変更になった場合の、変更前の期間
通算在留期間に「含まれない」期間
| 期間 | 要件の概要 |
|---|---|
| やむを得ない事情で再入国できなかった期間 | 新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のための上陸拒否措置など |
| 産前産後休業・育児休業の期間 | 労働基準法に基づく産前休業(産前6週間・多胎は14週間)・産後休業(8週間)、育児・介護休業法に基づく育児休業(原則子が1歳まで、延長時は最長2歳まで) |
| 病気・ケガによる休業期間 | 原則1年以下(労災による場合は3年以下)。連続した1か月を超える期間であることが必要 |
ここが実務で最も見落とされるポイントです。数日の自宅療養や断続的な通院では除外は認められません。「連続1か月超」が要件です。
除外には手続きが必要:自動的に除外されるわけではありません。通算5年が満了する前(概ね3か月前)に、申立書と疎明資料(母子健康手帳の写し、医師の診断書、休業期間中のタイムカードの写しなど)を添えて在留期間更新許可申請等を行い、認められて初めて除外されます。
必要な様式
- 再入国出国期間に関する申立書(参考様式第1-28号)
- 休業期間に関する申立書(参考様式第1-30号)
「もう5年経ったから帰国」は誤りかもしれない:育児休業を取得した人について、休業期間を除外すればまだ1年近く働けるというケースは少なくありません。知らないだけで人材を失う——これが最も避けたい事態です。
FAQ:通算5年を過ぎたら、その日から働けなくなりますか?
通算5年に達した時点で、特定技能1号としての就労は認められなくなります。在留カードの有効期限に余裕があっても同じです。ただし、後述の通算6年特例に該当する場合や、特定技能2号など別の在留資格に変更する場合は、引き続き在留・就労できます。
4-2. 在留期間更新に必要な条件と期限前の手続き
更新が認められるための主な条件
- 引き続き同じ分野・業務区分の仕事に従事していること
- 受入れ機関が基準を満たし続けていること(法令違反がないこと)
- 支援計画が適切に実施されていること
- 通算在留期間が5年(または6年)に達していないこと
- 報酬が日本人と同等以上であること
HowTo:更新手続きの進め方(期限前の準備)
- 在留期限の3か月前:受入れ機関と更新の可否を確認する。通算期間の残りを計算する。
- 在留期限の3か月前:休業期間の除外を主張したい場合は、申立書と疎明資料を準備する。
- 在留期限の2か月前:必要書類をそろえる。2026年10月1日以降は手数料が許可期間によって変わるため、どの期間で申請するかを確認する。
- 在留期限の1か月前:申請する。標準処理期間はおおむね1か月ですが、分野によっては遅延します。
- 許可後:新しい在留カードを受け取り、必要に応じて届出を行う。
期限が迫ってから動くと間に合いません。とくに外食業のように受入れ上限に達した分野では、申請が集中して「相当な遅延」が生じています。
FAQ:更新が不許可になることはありますか?
あります。主な原因は、①受入れ機関の法令違反、②支援計画の未実施、③通算在留期間の超過、④報酬要件の不充足、⑤虚偽の申請です。とくに支援義務の未実施は近年厳しくチェックされています(後述の8章参照)。
4-3. 転職・一時帰国・就労していない期間の扱い
転職のルール
| ケース | 可否・条件 |
|---|---|
| 同一の業務区分内での転職 | 可能。技能評価試験の再受験は不要だが、在留資格変更許可申請は必要 |
| 技能水準の共通性が確認されている業務区分への転職 | 可能(政府基本方針による) |
| 異なる分野への転職 | 原則として該当分野の技能評価試験等の合格が必要 |
| 失業期間 | 在留は可能だが、通算5年にカウントされる |
政府基本方針では、転職が認められる場合を「同一の業務区分内又は試験等によりその技能水準の共通性が確認されている業務区分内」としています。
一時帰国の扱い
再入国許可(みなし再入国許可を含む)による出国期間は、通算在留期間に含まれます。「一時帰国した分だけ5年が延びる」わけではありません。ただし、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のための上陸拒否措置など、やむを得ない事情で再入国できなかった期間は除外の対象になります。
就労していない期間の扱い
失業期間も通算5年にカウントされます。「働いていなかったから、その分長くいられる」という誤解は通用しません。転職活動は長期化させないことが重要です。
採用する企業側の注意点:転職者を採用する際は、前職を含めて通算何年目なのかを採用時点で確認しなければなりません。「入社3年目だからあと2年」ではなく、前職の期間をすべて引き継いだ数字で判断します。
FAQ:転職先が見つからない間は、どうなりますか?
在留自体は可能ですが、通算5年のカウントは止まりません。また、支援計画の実施主体が不在になるため、早期の転職先確保が求められます。受入れ機関の都合で雇用契約を解除する場合は、転職支援が義務的支援の1項目として位置づけられています(後述の8-3参照)。
4-4. 特定技能2号や他の在留資格へ移行するための準備
1号の間にやっておくべきこと
| 準備 | 具体的な行動 |
|---|---|
| 2号の対象分野か確認する | 自分の分野が2号の対象11分野に入っているか確認する |
| 日本語能力を上げる | 外食業・漁業は2号にN3以上が必要。他分野も実務上プラス |
| 指導経験を積む | 後輩指導・現場リーダー経験を記録に残す |
| 2号評価試験の情報を集める | 分野ごとに実施機関・時期が異なる |
| 他の在留資格も検討する | 介護福祉士→「介護」、技能があれば「技術・人文知識・国際業務」など |
2025年9月30日新設:通算6年まで延長できる特例
2号への移行を目指して努力しているものの、あと一歩で試験に届かなかった人材を救済する取扱いです。
- 対象:特定技能2号評価試験等に不合格となった者
- 条件:一定要件を満たすこと
- 効果:通算6年まで在留できる
- 注意:「試験に落ちれば誰でも1年延びる」制度ではありません
キャリアの分岐点は「分野選び」にあります。2号の対象外である自動車運送業・鉄道・林業・木材産業などを選んだ場合、5年後に日本での就労が終わる可能性が高いことを、最初から理解しておく必要があります。
FAQ:1号から2号へは、必ず移行できますか?
必ずではありません。2号評価試験に合格し、かつ監督者としての実務経験を満たす必要があります。また、2号は1号の対象19分野のうち11分野に限られます。1号の在留期間中に試験対策と実務経験の両方を進める計画性が求められます。
5. 特定技能1号の取得条件と試験|申し込みから合格まで
5-1. 年齢・健康状態・技能・日本語能力などの取得条件
特定技能1号の取得条件を一覧で整理します。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 年齢 | 実務上、満18歳以上(就労可能年齢)であることが前提 |
| 健康状態 | 業務に支障のない健康状態であること |
| 技能 | 分野別の技能評価試験に合格、または技能実習2号を良好に修了(関連職種・作業) |
| 日本語能力 | JLPT N4以上 または JFT-Basic合格(介護は介護日本語評価試験も必要) |
| 雇用契約 | 受入れ機関との特定技能雇用契約が適切であること |
| 報酬 | 日本人が従事する場合の報酬の額と同等以上であること |
| 受入れ機関 | 欠格事由に該当しないこと(5年以内の出入国・労働法令違反などがないこと) |
| 支援体制 | 支援計画を作成・実施できる体制があること(または登録支援機関に委託) |
FAQ:年齢の上限はありますか?
特定技能1号には上限年齢の定めはありません。ただし、①技能評価試験に合格できること、②受入れ企業の採用基準を満たすこと、③通算5年の在留期間の使い方(2号を目指すなら年齢が関係する)という3つの現実的な制約があります。
5-2. 分野別の技能試験:実施機関・評価方法・合格基準
分野ごとに実施機関が異なります。ここを取り違えると申込みができません。
| 分野 | 試験名 | 主な実施機関 |
|---|---|---|
| 工業製品製造業 | 製造分野特定技能1号評価試験 | 一般社団法人 工業製品製造技能人材機構(JAIM) |
| 建設 | 建設分野特定技能評価試験 | 一般社団法人 建設技能人材機構(JAC) |
| 外食業・飲食料品製造業 | 外食業・飲食料品製造業 特定技能評価試験 | 一般社団法人 外国人食品産業技能評価機構(OTAFF) |
| 自動車運送業 | 自動車運送業技能測定試験 | 国土交通省(各業界団体と連携) |
| 鉄道 | 鉄道分野特定技能1号評価試験 | 一般社団法人 日本鉄道施設協会 等 |
| 林業 | 林業技能測定試験(林業分野特定技能1号評価試験) | 林業分野の実施団体 |
| 介護 | 介護技能評価試験+介護日本語評価試験 | 介護分野の実施団体 |
評価方法:分野によって異なりますが、学科試験(筆記)+実技試験という構成が一般的です。一部の分野では、実際の作業を再現した実技課題が課されます。
合格基準:分野ごとに実施要領で定められています。おおむね学科・実技それぞれで一定の正答率を満たすことが求められます。詳しくは各実施機関の「受験案内」で確認してください。
申込みはプロメトリックなどの予約サイト経由が多い:建設分野などは、特定技能評価試験の申込みをプロメトリックのWebサイトで行います。
実施スケジュールの確認方法:出入国在留管理庁の「試験関係」ページに、在留資格「特定技能1号」および「特定技能2号」に係る試験実施予定一覧表がExcel形式で掲載されています(基準日付き)。これが最も一次情報に近い一覧です。
出典:出入国在留管理庁「試験関係」/建設分野特定技能評価試験(JAC)/外食業・飲食料品製造業(OTAFF)
FAQ:試験は日本語で受けますか?
分野によって対応が異なります。多くの分野では、母国語(または英語)での受験が可能な設計になっていますが、実施状況は分野・時期によって変わります。受験案内で「対応言語」を必ず確認してください。なお、日本語能力(JLPT N4以上またはJFT-Basic)は別途必ず必要です。
5-3. 日本語能力試験(JLPT)と国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)の基準
どちらか一方に合格すればOKです。
| 項目 | JLPT | JFT-Basic |
|---|---|---|
| 正式名称 | 日本語能力試験 | 国際交流基金日本語基礎テスト |
| 実施機関 | 国際交流基金・日本国際教育支援協会 | 国際交流基金 |
| 求められる水準 | N4以上 | 合格(A2相当) |
| 実施頻度 | 年2回(7月・12月) | 通年(随時) |
| 特徴 | 受験機会が限られる | 受験機会が多く、結果が早い |
実務上のアドバイス:JLPTは年2回しかチャンスがありません。スケジュールの都合で間に合わない場合はJFT-Basicが現実的です。2026年10月5日には、出入国在留管理庁が「JLPT(N4・N5)受験申込みを検討中の方へ JFT-Basicの活用をお勧めします」という案内を掲載しました。公式がJFT-Basicへの誘導を行っている点は注目です。
介護分野は追加で「介護日本語評価試験」が必要です。これは介護現場で使う専門的な日本語(記録、申し送り、利用者との会話)を評価する試験です。
2026年9月30日には「日本語能力水準「B1相当以上」の確認開始時期について」が掲載されています。特定技能2号や、分野によってはより高い日本語水準が求められる方向に動いています。
出典:出入国在留管理庁「特定技能制度」/出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」
FAQ:JFT-BasicとJLPT N4は、どちらが簡単ですか?
一概には言えませんが、JLPT N4は語彙・漢字・読解を含む総合試験であるのに対し、JFT-Basicは日常生活で必要な基礎的な日本語運用能力(A2相当)に重点を置いた設計です。試験形式(コンピュータ試験で随時受験可)と受験機会の多さから、「早く確実に要件を満たしたい」ならJFT-Basicが選ばれる傾向にあります。
5-4. 試験の申し込み方法と国内・海外の受験会場の確認
HowTo:試験の申込みから受験までの5ステップ
- 分野を決める。自分が従事したい業務区分を決め、その分野の試験実施機関を特定する。
- 実施機関のサイトで受験案内を確認する。試験日程、会場、受験料、対応言語、合格基準を確認する。
- マイページを作成し、個人情報を登録する。パスポート情報などが必要です。
- 予約サイトで試験会場と日程を確保する。人気の会場・時期は埋まりやすいので、早めに予約します。
- 受験料を支払い、受験票を発行する。当日の持ち物(パスポート等)を確認して受験します。
海外でも受験できます
特定技能1号評価試験は国内外で実施されています。2026年9月〜の例では、フィリピン(9月1日〜4日、6日〜16日)、カンボジア(9月5日、11日〜12日)、ミャンマーなどで実施予定が公表されています。
海外で合格してから入国する流れが主流になりつつあります。現地で合格 → 在留資格認定証明書交付申請 → 査証(ビザ)申請 → 入国、というルートです。
国内受験のメリット:すでに日本にいる人(技能実習修了者、留学生など)は、国内会場で受験できます。国内試験と国外試験で内容が大きく変わることはありませんが、実施回数は国内のほうが限られる場合があります。
確認先の優先順位
- 出入国在留管理庁「試験関係」ページの試験実施予定一覧表(一次情報に最も近い)
- 各分野の実施機関サイト(詳細な受験案内)
- 特定技能総合ポータル「特定技能に関する試験情報」
FAQ:受験料はいくらですか?
分野によって異なります。また改定されることがあります。たとえば自動車運送業分野の特定技能1号評価試験は、2026年9月1日以降の申し込み分から受験料と合格証明書発行手数料が改定(値上げ)されています。申込み前に、必ず実施機関の最新の受験案内で金額を確認してください。
5-5. 問題例を使った試験対策と分野独自の追加要件
試験対策の基本3点
- 公式の問題例・テキストを使う。分野ごとに実施機関が公開している問題例が最も信頼できます。市販の対策本より、まず公式の範囲を固めます。
- 業務区分に合わせて勉強する。同じ「工業製品製造業」でも、機械金属加工と電気機器組立てでは出題範囲が違います。自分が従事する業務区分に絞るのが効率的です。
- 日本語は「業務で使う日本語」を意識する。JLPT N4レベルの語彙に加え、安全指示・報連相・記録の言葉が現場では重要です。
分野独自の追加要件に注意
分野ごとに「特有の事情に鑑みて定める基準」があり、一般的な要件に上乗せされる条件があります。2026年だけでも次のような改正がありました。
| 分野 | 2026年の主な改正 |
|---|---|
| 自動車運送業 | 4月10日(特有基準改正)、10月9日(要領別冊改正) |
| 自動車整備 | 5月22日(特有基準改正) |
| 建設 | 6月23日(特有基準改正) |
| 造船・舶用工業 | 7月2日(特有基準改正) |
| 航空 | 7月17日(要領別冊改正) |
| 林業 | 4月23日(特有基準改正) |
| 宿泊 | 4月22日(特有基準改正) |
| 飲食料品製造業 | 4月15日(特有基準改正) |
| 工業製品製造業 | 5月8日・6月25日(特有基準改正) |
「試験に合格すれば終わり」ではありません。分野特有の基準(実務経験の年数、追加の講習、上乗せ基準告示への適合など)を確認する必要があります。
FAQ:不合格になったら、もう一度受けられますか?
再受験は可能です。ただし、再受験のルール(回数制限や待機期間)は分野ごとに異なります。また、育成就労から特定技能1号への移行の場合、不合格でも再受験に必要な範囲で最大1年の在留継続が認められる取扱いがあります。詳しくは各実施機関の受験案内を確認してください。
6. 特定技能1号の申請手続き|必要書類から審査・許可まで
6-1. 海外からの入国と国内での在留資格変更で異なる申請の流れ
申請ルートは2つ。まったく別の手続きです。
| ルート | 対象者 | 手続き |
|---|---|---|
| 海外からの入国 | 海外に住んでいる外国人 | ①在留資格認定証明書交付申請(受入れ機関が申請)→②査証(ビザ)申請(本人が在外公館で)→③入国・上陸許可 |
| 国内での変更 | すでに日本に在留している外国人 | 在留資格変更許可申請(本人または受入れ機関が申請) |
ルート①(海外から)の特徴
- 申請者は受入れ機関(申請取次者が代行することも可能)
- 在留資格認定証明書が交付されてから、本人が在外公館で査証を申請する
- 分野の受入れ上限に達していると、認定証明書が交付されない(外食業がまさにこの状態)
ルート②(国内で変更)の特徴
- 技能実習2号を修了した人、留学生、特定活動(特定技能1号移行準備)の人などが対象
- 受入れ見込数の範囲内で、現に在留している人からの変更申請が優先処理される場合がある(外食業の運用がその例)
実務上のポイント:「国内にいる人のほうが移行しやすい」という傾向があります。とくに上限に近づいた分野では、新規入国より国内在留者の変更が優先されることがあります。
出典:出入国在留管理庁「特定技能「外食業分野」における受入れ上限の運用について」
FAQ:海外にいる家族を呼んでから申請できますか?
特定技能1号では家族帯同が原則不可のため、家族を帯同する前提での申請はできません。まず本人が特定技能1号の在留資格を取得し、将来2号へ移行した段階で帯同を検討する、という順序になります。
6-2. 雇用契約・支援計画・試験合格証明などの必要書類
主な必要書類をカテゴリ別に整理します。
| カテゴリ | 主な書類 |
|---|---|
| 本人に関するもの | 旅券、写真、履歴書、技能評価試験の合格証明書、日本語試験の合格証明書(JLPT・JFT-Basic)、介護分野は介護日本語評価試験の合格証明書 |
| 雇用契約に関するもの | 特定技能雇用契約書、雇用条件書、報酬額が同等以上であることを示す資料 |
| 受入れ機関に関するもの | 登記簿謄本、決算書、労働保険・社会保険の加入関係書類、納税証明書、欠格事由に該当しないことの確認書類 |
| 支援に関するもの | 1号特定技能外国人支援計画書、登録支援機関との委託契約書(委託する場合) |
| 協議会に関するもの | 分野ごとの協議会への加入関係書類 |
| 申請書類 | 在留資格認定証明書交付申請書 または 在留資格変更許可申請書 |
書類一覧は頻繁に改定されています。出入国在留管理庁は2026年だけでも「「特定技能」に係る提出書類一覧表」を1月・6月・8月・10月に改定しています。申請直前に最新版を確認してください。
支援計画書は在留申請時に提出が必須で、変更があった場合は届出が必要です。
行政書士法改正の影響(2026年1月1日施行)
行政書士法の一部を改正する法律(令和7年法律第65号)が令和8年1月1日に施行されました。これにより、官公署に提出する書類の作成を業として行えるのは行政書士(または弁護士)に限られることが明確化され、「いかなる名目によるかを問わず」報酬を得て行う書類作成が規制の対象となりました。
特定技能の申請書類作成を外部に依頼する場合は、行政書士または弁護士に依頼する必要があります。「コンサルティング料」「サポート料」といった名目でも、実質的に書類作成を行えば対象になります。
出典:総務省「行政書士制度」/出入国在留管理庁「特定技能制度」
FAQ:支援計画は誰が作りますか?
受入れ機関が作成します(登録支援機関に支援の全部を委託する場合でも、受入れ機関が支援計画を作成し、委託内容を記載します)。支援計画には、支援責任者の氏名・役職、登録支援機関の情報(委託する場合)、義務的支援10項目の実施内容を記載します。
6-3. 申請先・費用・審査期間の目安と不許可を防ぐ確認事項
申請先:在留資格認定証明書交付申請は地方出入国在留管理局、在留資格変更許可申請は本人の居住地を管轄する地方出入国在留管理局です。奈良県の場合、近畿地方の管轄局が窓口になります。
費用
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 在留資格変更許可/在留期間更新許可(3月以下) | 10,000円(窓口)/10,000円(オンライン) |
| 在留資格変更許可/在留期間更新許可(1年) | 33,000円(窓口)/27,000円(オンライン) |
| 在留資格変更許可/在留期間更新許可(5年以上) | 75,000円(窓口)/65,000円(オンライン) |
| 永住許可 | 200,000円(窓口) |
※2026年10月1日から改定。2026年9月30日までに受付した申請は、許可が10月1日以降になっても改定前の手数料で納付します。 ※オンライン申請の場合、手数料はコンビニ決済または銀行決済のみで、収入印紙による納付はできません。別途決済手数料が必要です。
審査期間の目安:入管が公表する標準処理期間はおおむね1か月ですが、申請が集中する時期や分野ではこれより長くかかります。外食業分野では、2026年4月13日より前に受理した申請でも「交付までに相当な遅延が生じる見込み」と明示されています。
不許可を防ぐ7つの確認事項
- 受入れ機関に欠格事由がないか(5年以内の出入国・労働法令違反など)
- 報酬が日本人と同等以上か(同等の業務に従事する日本人労働者との比較)
- 業務区分が一致しているか(合格した業務区分と求人の業務内容)
- 支援計画が実態に即しているか(「書類だけ」の計画は不許可・取消リスク)
- 分野特有の基準を満たしているか(2026年は多くの分野で改正)
- 受入れ見込数の枠に余裕があるか(上限に達した分野は交付停止)
- 提出書類が最新の一覧表に対応しているか(四半期ごとに改定)
出典:出入国在留管理庁「在留許可手数料の額の改定について」/出入国在留管理庁「特定技能制度」
FAQ:申請が不許可になった場合、どうなりますか?
不許可の通知が届きます。理由を確認し、改善して再申請することは可能です。ただし、在留期限が迫っている場合は在留期間内に再申請する必要があります。不許可の主な理由は、書類の不備、基準の不充足、虚偽記載です。虚偽記載は再申請が著しく困難になるため、絶対に避けてください。
6-4. 許可後に就労を始めるまでの準備と各種届出
HowTo:許可後から就労開始までの6ステップ
- 在留カードを受け取る。空港で交付されるか、入管で受け取ります。
- 住居地の届出を行う。入国後14日以内に、居住地の市区町村役場へ届け出ます(在留カードを提示)。
- 雇用契約の内容を最終確認する。業務内容・勤務地・報酬・労働時間を本人に母国語で説明します。
- 生活オリエンテーションを実施する。義務的支援の1項目です。日本のルール、公共機関の使い方、災害時の対応などを説明します。
- 公的手続の同行支援を行う。銀行口座、携帯電話、社会保険、税などの手続を支援します。
- 定期面談のスケジュールを決める。3か月に1回以上の面談が義務です。
各種届出の義務
- 住居地の届出(本人)
- 所属機関に関する届出(受入れ機関の名称・所在地の変更など)
- 契約機関に関する届出
- 支援に関する届出(支援計画の変更など)
- 定期届出(受入れ機関が年1回、出入国在留管理庁に提出)
2026年8月20日には「定期届出でよくある誤り集」が公開されました。定期届出は実務で誤りが多い手続きです。また、2026年4月28日にはオンライン定期届出の解説動画が公開されています。
出典:出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援・登録支援機関について」/出入国在留管理庁「特定技能制度」
FAQ:定期届出を忘れるとどうなりますか?
定期届出は受入れ機関の義務です。未提出や誤りが続くと、受入れ機関としての適格性が疑われ、在留期間更新や新規受入れの審査に悪影響が出ます。出入国在留管理庁が「よくある誤り集」を公開しているのは、誤りが相当数発生しているためです。手続きは早めに、確実に。
7. 特定技能1号の求人はどう探す?仕事選びと応募のポイント
7-1. 希望する分野の求人を探す方法と応募条件の確認
HowTo:求人を探す5つのルート
- 分野ごとの協議会・業界団体の求人情報。特定技能の受入れには分野ごとの協議会加入が必要なため、協議会・団体が求人情報を出していることがあります。
- 登録支援機関の求人紹介。登録支援機関は受入れ企業と密接な関係があるため、実際に動いている求人を持っています。
- 人材紹介会社・派遣会社(特定技能対応)。特定技能に特化した紹介会社が多数あります。
- ハローワーク(外国人雇用サービスセンター)。公共の相談窓口です。
- 受入れ企業への直接応募。企業の採用ページから直接応募するルートもあります。
応募条件の確認チェックリスト
| 確認項目 | チェック内容 |
|---|---|
| 分野 | 自分の合格した分野と一致しているか |
| 業務区分 | 合格した業務区分と一致しているか(最重要) |
| 在留期間 | 通算5年の残りが十分にあるか |
| 受入れ見込数の枠 | その分野が上限に達していないか |
| 特定技能2号の対象か | 長期就労を望むなら2号の対象分野か |
| 日本語要件 | 自分の資格で満たせるか |
| 試験 | 追加の試験が必要か |
「業務区分の一致」が最も重要です。分野名が同じでも、業務区分が違えば従事できません。求人票の「業務内容」が、自分の合格証明書の業務区分と一致しているかを必ず確認してください。
FAQ:自分で求人を探すことはできますか?
可能です。ただし、特定技能の求人は一般的な求人サイトにはあまり出ていません。分野の協議会、登録支援機関、特定技能対応の紹介会社を経由するのが現実的です。また、応募の前に受入れ企業が基準を満たしているか(欠格事由がないか、支援体制があるか)を確認することが重要です。条件の良い求人でも、受入れ企業が基準を満たしていなければ在留許可が下りません。
7-2. 給与・勤務地・業務内容・住居支援を比較するポイント
求人を比較するときの4つの軸を、確認すべき具体的な数字とともに整理します。
| 軸 | 確認すべきこと |
|---|---|
| 給与 | 基本給、諸手当、残業代の計算方法、昇給の有無、同等の業務に従事する日本人との比較 |
| 勤務地 | 実際の勤務地、寮からの距離、交通手段、冬季の移動手段 |
| 業務内容 | 業務区分との一致、業務の範囲、配属先の変更可能性 |
| 住居支援 | 社宅の有無、家賃負担、連帯保証人になるかどうか、初期費用の負担 |
給与は「日本人と同等以上」が法律上の要件です。同等の業務に従事する日本人労働者と比較して、同等以上でなければなりません。「外国人だから安い」は基準違反です。
住居は支援義務の中核です。義務的支援の1項目に「住居確保・生活に必要な契約支援」があり、受入れ機関が連帯保証人になる、社宅を提供するなどが求められます。
比較のコツ:手取り額だけでなく、家賃負担・光熱費・食費の扱いまで含めて比較します。寮費が無料でも、給与が相場より大幅に低ければ基準違反の疑いがあります。
出典:出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援・登録支援機関について」
FAQ:残業はありますか?
あります。特定技能1号は通常の労働者と同じ扱いなので、労働基準法に基づく残業代の支払いが必要です。残業の有無・上限・割増率は、雇用条件書で確認してください。また、特定技能外国人が一時帰国を希望する際には、必要な有給休暇を取得させることが受入れ機関に求められています。
7-3. 採用面接から雇用契約までに確認したい労働条件
面接で必ず確認すべき10項目
- 業務内容(合格した業務区分と一致するか)
- 勤務地(変更の可能性を含む)
- 基本給・手当・残業代(具体的な金額)
- 労働時間・休日・有給休暇
- 社会保険・労働保険の加入
- 住居(社宅の有無、家賃、連帯保証人)
- 支援体制(自社支援か登録支援機関か、支援責任者は誰か)
- 日本語学習の機会(義務的支援の1項目)
- 帰国時の航空券の扱い(義務的支援に送迎が含まれる)
- 転職の可否(同一業務区分内での転職の考え方)
雇用契約書に必ず記載されるべき事項:特定技能雇用契約は、労働条件を書面で明示する必要があります。契約書・雇用条件書は本人が理解できる言語で説明される必要があります(後述の8-5参照)。
面接時に確認しておくと安心なこと:前任の特定技能外国人がいたか、なぜ退職したか。支援計画の実績(定期面談が実際に行われているか)。「書類だけの支援」の企業は、後で必ずトラブルになります。
FAQ:雇用契約を結んだ後に、条件が変わることはありますか?
労働条件の変更は、法令に従って行われる必要があります。特定技能雇用契約の内容を変更する場合、在留申請上の扱いが変わる可能性があります(業務内容の変更は業務区分の変更にあたる場合があるなど)。条件変更があった場合は、必ず入管への届出の要否を確認してください。
8. 企業が特定技能1号を受け入れる条件と支援義務
8-1. 受入企業に求められる要件と報酬・雇用形態の基準
受入れ機関(特定技能所属機関)の要件
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| 雇用契約が適切であること | 報酬額が日本人と同等以上、通常の労働者と同等の所定労働時間、一時帰国時の有給休暇など |
| 機関自体が適切であること | 5年以内に出入国・労働法令違反がないことなどの欠格事由に該当しない |
| 支援体制があること | 支援計画を策定・実施できる体制(または登録支援機関に委託) |
| 分野ごとの協議会に加入すること | 分野ごとに設置される協議会への加入が求められる |
| 保証金の徴収等をしないこと | 外国人から保証金を徴収する契約をしてはならない |
雇用形態の基準
- 直接雇用が原則です(派遣での受入れは原則不可)
- 報酬は同等の業務に従事する日本人労働者と同等以上
- 労働時間は通常の労働者と同等
- 一時帰国を希望する場合、必要な有給休暇を取得させる
「同等以上」の実務的な証明:審査では、同等の業務に従事する日本人労働者の報酬との比較資料が求められます。「外国人だから」「経験年数が短いから」という理由で低い報酬を設定することはできません。
欠格事由の確認は5年遡る点に注意してください。過去の労働法令違反が受入れの障害になります。
FAQ:個人事業主でも特定技能外国人を受け入れられますか?
受入れ機関の基準を満たせば、法人でなくても受入れは可能です。ただし、支援計画を実施する体制、社会保険・労働保険の加入、法令遵守の体制など、基準を満たす必要があります。支援体制を自社で整えるのが難しい場合は、登録支援機関に支援の全部を委託する方法があります。
8-2. 外国人採用前に必要な準備と分野別の受け入れ手続き
HowTo:受入れまでの準備6ステップ
- 分野を決め、協議会への加入を確認する。分野ごとに協議会が設置されています。
- 受入れ機関の基準を自己点検する。欠格事由(5年以内の法令違反)、社会保険・労働保険の加入、報酬水準を確認します。
- 支援体制を決める。自社で支援するか、登録支援機関に委託するかを決めます。
- 募集・選考を行う。試験合格者、または技能実習修了者を採用します。海外在住者を採用する場合は、送出機関との関係も確認します。
- 雇用契約を締結し、支援計画を作成する。契約書・雇用条件書は本人が理解できる言語で説明します。
- 在留申請を行う。海外からなら在留資格認定証明書交付申請、国内なら在留資格変更許可申請です。
分野別の受入れ手続きの違い
分野ごとに「要領別冊」があり、受入れ手続きの詳細が定められています。2026年だけでも、自動車運送業(10月9日)、ビルクリーニング・鉄道・飲食料品製造業(8月28日)、航空(7月17日)、工業製品製造業(6月25日)などの要領別冊が改正されています。分野が違えば手続きも違うと理解してください。
受入れ開始前の分野に注意:物流倉庫分野は2026年9月18日に要領別冊が制定された段階で、資源循環分野は2026年7月30日に上乗せ基準告示が掲載された段階です。受入れ開始時期は所管省庁の公表を確認してください。
FAQ:受入れまでにどれくらいの期間がかかりますか?
準備から就労開始まで、一般に数か月単位かかります。海外からの受入れの場合、募集・選考 → 試験(未受験の場合)→ 在留資格認定証明書交付申請 → 査証申請 → 入国という流れになり、入管の標準処理期間はおおむね1か月ですが、分野によっては遅延します。「来月から来てほしい」というスケジュールは現実的ではありません。
8-3. 特定技能1号の支援義務:生活・日本語学習・相談対応
受入れ機関には義務的支援10項目の実施が義務付けられています。これは「努力義務」ではなく法的義務です。
| No | 支援項目 | 具体的な内容 |
|---|---|---|
| 1 | 事前ガイダンス | 雇用契約締結後、在留申請前に、労働条件・活動内容・入国手続・保証金徴収の有無等を対面・テレビ電話等で説明 |
| 2 | 出入国する際の送迎 | 入国時に空港等と事業所・住居への送迎、帰国時に空港の保安検査場までの送迎・同行 |
| 3 | 住居確保・生活に必要な契約支援 | 連帯保証人になる、社宅を提供する等。銀行口座開設・携帯電話・ライフラインの契約支援 |
| 4 | 生活オリエンテーション | 日本のルールやマナー、公共機関の利用方法、連絡先、災害時の対応等の説明 |
| 5 | 公的手続等への同行 | 住居地・社会保障・税などの手続の同行、書類作成の補助 |
| 6 | 日本語学習の機会の提供 | 日本語教室等の入学案内、日本語学習教材の情報提供等 |
| 7 | 相談・苦情への対応 | 職場や生活上の相談・苦情について、外国人が十分に理解できる言語での対応、助言・指導 |
| 8 | 日本人との交流促進 | 自治会等の地域住民との交流の場、地域のお祭りなどの案内や参加の補助 |
| 9 | 転職支援(人員整理等の場合) | 受入れ側の都合で雇用契約を解除する場合の転職先探しの手伝い、推薦状の作成、求職活動のための有給休暇の付与 |
| 10 | 定期的な面談・行政機関への通報 | 支援責任者等が本人及びその上司等と定期的(3か月に1回以上)に面談し、労働基準法違反等があれば通報 |
任意的支援:義務的支援10項目に付随する支援で、支援計画に記載した場合に限り支援義務が発生します。
2027年4月1日から支援体制の要件が厳しくなります
出入国在留管理庁は2026年7月28日、「1号特定技能外国人への支援体制に係る要件の改正について(令和9年4月1日施行)」を公開しました。主な改正点は次の4つです。
- 支援責任者・支援担当者を、支援を行う事業所ごとにそれぞれ常勤の役員または職員の中から1名以上選任する(支援責任者が支援担当者を兼務することは可)
- 支援業務に従事できる者を支援責任者等に限定する
- 支援責任者に対し、支援能力向上のための養成講習(入管法や労働関係法令等)の受講を義務付ける(※当分の間は講習未修了でも差し支えない)
- 支援担当者の数の下限を定める(登録支援機関が支援業務の委託を受けている特定技能所属機関の数を10で割った数、および支援を行っている1号特定技能外国人の数を50で割った数を超えていること)
経過措置:施行日までに登録を受けている登録支援機関は、令和9年7月31日までに登録の期間が満了する場合、施行日前に更新申請をしたときに限り、施行日前の要件で更新を受けることができます。ただし、その後の更新では新要件を満たす必要があります。
出典:出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援・登録支援機関について」/出入国在留管理庁「1号特定技能外国人への支援体制に係る要件の改正について」
FAQ:定期面談は誰が行いますか?
支援責任者等(支援責任者または支援担当者)が、本人およびその上司等と3か月に1回以上面談します。面談では、労働条件の相違、労働基準法違反、生活上の問題などを確認し、違反があれば行政機関へ通報することが義務付けられています。「面談記録だけ作って実施しない」という運用は、義務違反です。
8-4. 登録支援機関への委託と自社支援の違い・選び方
結論:自社支援はコストを抑えられますが体制構築のハードルが高い。登録支援機関への委託はコストはかかりますが確実性が高い。この2択です。
| 項目 | 自社支援 | 登録支援機関に委託 |
|---|---|---|
| 支援計画の作成 | 受入れ機関が作成 | 受入れ機関が作成(委託内容を記載) |
| 支援の実施 | 自社で実施 | 委託契約に基づき実施 |
| 必要な体制 | 支援責任者の選任、日本語対応、各種手続のノウハウ | 委託契約のみ |
| 支援体制の基準 | 自社で満たす必要がある | 全部委託なら支援体制の基準を満たしたものとみなされる |
| コスト | 人件費・教育コスト | 委託費用(相場は機関により異なる) |
| 言語対応 | 自社で確保する必要がある | 機関が多言語対応 |
| 向いている企業 | 外国人雇用の経験がある、専任担当者を置ける | 初めての受入れ、専任担当者が置けない |
登録支援機関の基本情報
- 登録支援機関になるには、出入国在留管理庁長官の登録が必要です
- 登録は5年間有効で、更新が必要(有効期間満了日の6か月前の月初日から4か月前の月末までに更新申請)
- 登録申請手数料:新規登録28,400円、登録更新11,100円
- 登録支援機関は、委託を受けた支援業務の実施をさらに委託することはできません
- 登録を受けた機関は登録支援機関登録簿に掲載され、出入国在留管理庁ホームページで確認できます
選び方の3つのポイント
- 登録支援機関登録簿で実在を確認する(登録簿はこちら)
- 自社の分野の支援実績があるか確認する。分野によって業務の常識が違います。
- 2027年4月1日の新要件に対応できるか確認する。養成講習の受講、支援担当者の数など、体制要件が厳しくなります。「そのときに体制が整っているか」を事前に質問してください。
出典:出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援・登録支援機関について」/出入国在留管理庁「1号特定技能外国人への支援体制に係る要件の改正について」
FAQ:登録支援機関に全部委託すれば、受入れ機関は何もしなくてよいですか?
いいえ。支援計画の作成は受入れ機関の責任ですし、支援の実施状況の管理、定期届出、労働条件の遵守など、受入れ機関としての義務は残ります。また、支援責任者の選任は受入れ機関側にも必要です(事業所ごとに1名以上)。「丸投げ」は誤解です。
8-5. 外国人が理解できる言語での説明と継続的な支援体制
支援義務の中核は「言語」です。
義務的支援10項目のうち、少なくとも3項目で「理解できる言語での対応」が明示されています。
| 項目 | 言語に関する要件 |
|---|---|
| 1. 事前ガイダンス | 労働条件・活動内容・入国手続等を本人に説明(対面・テレビ電話等) |
| 4. 生活オリエンテーション | 日本のルール・マナー等を理解できるよう説明 |
| 7. 相談・苦情への対応 | 外国人が十分に理解することができる言語での対応 |
相談・苦情対応は「十分に理解することができる言語」が明文要件です。「英語で対応しています」という体制で、英語がわからない人を受け入れることは基準を満たしません。本人の母国語で対応できる体制が必要です。
継続的な支援の3つの場面
- 入国前・入国直後:事前ガイダンス、送迎、住居確保、生活オリエンテーション
- 就労中:3か月に1回以上の定期面談、相談・苦情対応、日本語学習の機会の提供、日本人との交流促進
- 退職・帰国時:帰国時の空港までの送迎・同行、人員整理の場合の転職支援
「一度説明したら終わり」ではありません。支援は在留期間を通じて継続します。
2026年の関連改正:2026年5月14日には、改正労働施策総合推進法等の施行によるカスタマーハラスメントおよび求職者等に対するセクシャルハラスメント防止対策の強化が掲載されています。外国人労働者を含むハラスメント防止対策も、受入れ企業のコンプライアンスとして重要になっています。
出典:出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援・登録支援機関について」/出入国在留管理庁「特定技能制度」
FAQ:母国語での対応が自社でできない場合はどうすればよいですか?
登録支援機関に支援の全部または一部を委託するのが現実的です。登録支援機関は多言語対応の体制を持っていることが多く、相談・苦情対応を委託できます。自社支援にこだわる場合は、社内に該当言語を話せる人材を確保するか、通訳体制を構築する必要があります。
9. まとめ|特定技能1号の取得・採用に向けて確認すること
9-1. 取得を検討する外国人向け:試験・求人・申請の確認リスト
取得までのロードマップ
| 段階 | やること | チェック |
|---|---|---|
| ① 分野を決める | 自分の経験・希望に合う分野を選ぶ。特定技能2号の対象かも確認 | ☐ |
| ② 試験を受ける | 分野別技能評価試験に合格する | ☐ |
| ③ 日本語を証明する | JLPT N4以上またはJFT-Basicに合格(介護は介護日本語評価試験も) | ☐ |
| ④ 求人を探す | 業務区分の一致を確認する | ☐ |
| ⑤ 雇用契約を結ぶ | 労働条件を理解できる言語で説明を受ける | ☐ |
| ⑥ 申請する | 在留資格認定証明書交付申請 または 在留資格変更許可申請 | ☐ |
| ⑦ 就労開始 | 住居地届出、生活オリエンテーション、定期面談 | ☐ |
取得前の最終確認5項目
- 業務区分の一致:合格した業務区分と求人の業務内容が一致しているか
- 受入れ見込数の枠:その分野が上限に達していないか(外食業は交付停止中)
- 通算在留期間:転職者の場合は前職の期間を含めて残りを計算したか
- 2号への道:自分の分野が特定技能2号の対象11分野に入っているか
- 育成就労への移行:2027年4月までに移行すべき人かどうか
とくに急ぐべき人:技能実習法施行以前の「技能実習」等を修了した人。2027年4月の育成就労制度開始に伴い、試験免除の取扱いが変わります。該当する場合は2027年4月より前の移行を検討してください。
出典:出入国在留管理庁「技能実習法施行以前の「技能実習」等を修了した者が「特定技能1号」に移行しようとする場合の取扱いについて」/出入国在留管理庁「特定技能1号の分野ごとの受入れ見込数や在留者数等」
9-2. 制度の活用を検討する企業向け:受入条件・費用・支援体制の確認リスト
まずは分野選びから。ここで「そもそも受け入れられる分野か」が決まります。
| 確認事項 | チェック |
|---|---|
| 受入れたい分野が現在受入れ中か(物流倉庫・資源循環は受入れ開始前) | ☐ |
| 受入れ見込数の枠に余裕があるか(充足率を確認。外食業は交付停止中) | ☐ |
| 長期的に雇用したい場合、特定技能2号の対象分野か | ☐ |
次に受入れ機関としての適格性。ここでつまずくと、後の手続きがすべて無駄になります。
| 確認事項 | チェック |
|---|---|
| 5年以内に出入国・労働法令違反がないか | ☐ |
| 社会保険・労働保険に加入しているか | ☐ |
| 分野ごとの協議会に加入しているか(または加入予定か) | ☐ |
| 保証金の徴収など、外国人に不利益な契約をしていないか | ☐ |
雇用契約と報酬は、審査で最も見られる部分です。
| 確認事項 | チェック |
|---|---|
| 同等の業務に従事する日本人と同等以上の報酬か | ☐ |
| 直接雇用・フルタイムの契約になっているか | ☐ |
| 通常の労働者と同等の所定労働時間か | ☐ |
支援体制は、2027年4月1日の要件改正を見据えて確認します。
| 確認事項 | チェック |
|---|---|
| 自社支援か登録支援機関への委託か、方針を決めたか | ☐ |
| 支援責任者を事業所ごとに1名以上選任できるか | ☐ |
| 外国人が理解できる言語で相談対応できる体制があるか | ☐ |
| 3か月に1回以上の定期面談を実施できるか | ☐ |
| 2027年4月1日の支援体制要件改正(養成講習の受講、支援担当者の数など)に対応できるか | ☐ |
最後に費用とスケジュールです。
| 確認事項 | チェック |
|---|---|
| 申請手数料(許可期間により1万円〜7万5,000円)を把握しているか | ☐ |
| 登録支援機関への委託費用を把握しているか | ☐ |
| 就労開始までの期間(数か月)を見込んだ計画か | ☐ |
2026年に押さえるべき3つの「期限」
- 2026年10月1日:在留許可手数料が段階制に改定されました(3月以下1万円〜5年以上7万5,000円)。
- 分野ごとの受入れ上限:充足率が100%に近づくと交付停止が起こります(外食業が前例)。枠は「いつか埋まる」ものとして早めに動く。
- 2027年4月1日:育成就労制度が始まり、支援体制の要件も厳しくなります。今の体制がそのまま通用するとは限りません。
最後に:判断に迷ったら、分野と数字で考える
特定技能1号は「制度の全体像」よりも、「自分の分野がどういう状態にあるか」で結論が変わります。充足率、特有基準の改正状況、2号の対象かどうか——この3つを確認すれば、判断の軸ができます。
この記事の内容は2026年10月時点の情報です。制度改正が続いているため、実際の申請にあたっては必ず出入国在留管理庁の公式情報、および各分野の実施機関・協議会の最新情報をご確認ください。
よくある質問(FAQ総まとめ)
Q1. 特定技能1号と技能実習は何が違うのですか?
目的が違います。技能実習は「国際貢献(技術の母国への移転)」、特定技能1号は「人手不足分野での人材確保」です。技能実習では企業が労働力確保を目的にしてはいけない建前ですが、特定技能1号ははじめから人材確保が目的です。また、特定技能1号は受入れ企業との直接雇用が原則で、転職も一定の範囲で認められます。
Q2. 対象分野はいくつありますか?
19分野です(2026年1月23日の閣議決定で3分野追加)。ただし、実際に受入れが始まっているのは17分野で、「物流倉庫」「資源循環」は受入れ開始前です。
Q3. 在留期間は最長どのくらいですか?
通算5年です(一定要件を満たせば6年)。1回あたりの在留期間は3年・1年・6か月・4か月のいずれかです。通算5年に達した時点で、在留カードの期限が残っていても就労できなくなります。
Q4. 家族を日本に呼べますか?
特定技能1号では原則として家族の帯同は認められません。特定技能2号に移行すれば、配偶者と子の帯同が可能になります。
Q5. 日本語はどのレベルが必要ですか?
JLPT N4以上またはJFT-Basic合格のいずれかです。介護分野では加えて介護日本語評価試験が必要です。JLPTは年2回しかチャンスがないため、スケジュールが厳しい場合はJFT-Basicが現実的です。
Q6. 技能実習から特定技能1号へは、試験なしで移行できますか?
現在は可能です。技能実習2号を良好に修了していれば、関連する職種・作業について試験が免除されます。ただし2027年4月1日の育成就労制度開始により、この試験免除は原則として使えなくなります。該当する人は2027年4月より前の移行を検討してください。
Q7. 転職はできますか?
できます。同一の業務区分内、または試験等により技能水準の共通性が確認されている業務区分内への転職が認められています。異なる分野への転職は、原則として該当分野の技能評価試験等の合格が必要です。転職した場合も、前職での在留期間は通算5年にカウントされます。
Q8. 失業した期間も5年にカウントされますか?
カウントされます。就労していない期間、再入国許可による出国期間も通算在留期間に含まれます。一方、産前産後休業・育児休業・連続1か月を超える病気やケガによる休業の期間は、手続きをすれば除外されます(自動的に除外されるわけではありません)。
Q9. 受入れ企業がやらなければならないことは何ですか?
義務的支援10項目(事前ガイダンス、出入国の送迎、住居確保、生活オリエンテーション、公的手続の同行、日本語学習の機会提供、相談・苦情対応、日本人との交流促進、転職支援、3か月に1回以上の定期面談)の実施が義務です。加えて、日本人と同等以上の報酬、直接雇用、協議会への加入などが求められます。自社で実施するか、登録支援機関に委託することができます。
Q10. 手数料はいくらかかりますか?
2026年10月1日から在留資格変更・在留期間更新の手数料が段階制になりました。3月以下は窓口10,000円(オンライン10,000円)、1年は33,000円(オンライン27,000円)、5年以上は75,000円(オンライン65,000円)です。永住許可は200,000円です。
Q11. 申請書類の作成は誰に頼めばよいですか?
行政書士または弁護士です。2026年1月1日に施行された改正行政書士法により、官公署に提出する書類の作成を業として行えるのは行政書士(または弁護士)に限られることが明確化され、「いかなる名目によるかを問わず」報酬を得て行う書類作成が規制の対象になりました。
Q12. 2027年4月に何が変わりますか?
技能実習制度が育成就労制度に移行します。育成就労から特定技能1号に進むには試験合格が必要になり、技能実習にあった試験免除は原則なくなります。また、1号特定技能外国人への支援体制の要件も厳しくなります(支援責任者の選任、養成講習の受講、支援担当者の数の要件など)。「実習+特定技能」の最長在留は10年から8年相当に変わる見込みです。
出典一覧
本記事は以下の一次情報・公的資料および参考情報に基づいて作成しています。
公的機関(一次情報)
- 出入国在留管理庁「特定技能制度」
- 出入国在留管理庁「特定技能1号の分野ごとの受入れ見込数や在留者数等」
- 出入国在留管理庁「在留許可手数料の額の改定について(改正入管法施行令第25条第1項)」
- 出入国在留管理庁「特定技能「外食業分野」における受入れ上限の運用について」
- 出入国在留管理庁「特定技能「外食業分野」における在留資格認定証明書交付の一時停止措置について」
- 出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援・登録支援機関について」
- 出入国在留管理庁「1号特定技能外国人への支援体制に係る要件の改正について(令和9年4月1日施行)」
- 出入国在留管理庁「技能実習法施行以前の「技能実習」等を修了した者が「特定技能1号」に移行しようとする場合の取扱いについて」
- 出入国在留管理庁「通算在留期間」
- 出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」
- 出入国在留管理庁「試験関係」
- 出入国在留管理庁「特定の分野に係る要領別冊」
- 出入国在留管理庁「登録支援機関登録簿」
- JITCO「育成就労制度とは」
- JITCO「在留資格「特定技能」とは」
- 厚生労働省「育成就労制度の概要」
- 総務省「行政書士制度」
- 特定技能に関する試験情報(特定技能総合ポータル)
分野別試験実施機関
- 建設分野特定技能評価試験(一般社団法人 建設技能人材機構)
- 製造分野特定技能評価試験(一般社団法人 工業製品製造技能人材機構)
- 外食業・飲食料品製造業 特定技能評価試験情報サイト(OTAFF)
- 林業分野特定技能制度
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免責事項:本記事は2026年10月11日時点の情報に基づいて作成しています。特定技能制度は改正が頻繁に行われるため、実際の申請にあたっては必ず出入国在留管理庁および各分野の実施機関・協議会の最新情報をご確認ください。本記事の内容は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の事案に対する法的助言ではありません。
